2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

メモ

「ホテル・ニューハンプシャー」読破。 現代を舞台にした神話だと思った。おとぎ話に特有の予言や奇妙なロジックが家族を襲い、揺り動かしていく。人間の家族の物語であると同時に、神々の演じる神話でもある。 もっと神話を勉強したいと思った。僕たちの物…

トリックスター

知らぬ間に僕は叙任されていたらしい。叙任式をいつ通り過ぎたのか、僕はまったく覚えていない。それは、森の中で巨木に囲まれて、自転車の小ささに気付いた時だったのだろうか。あるいは島の海岸で、暗闇のなかに立って太平洋からやってくる雲を迎えた時だ…

潜る

良い文章というのは、誰にも分からなかったことを誰にでも分かるように書いたものだという。逆に言えば、最悪の文章は、誰でも分かることを誰にも分からなく書いたものだということになる。 僕の周囲の小説仲間で、純文学とそうでない娯楽作品の違いについて…

孤高と理想

もしどうしようもなく孤独を感じたら、それを孤高と呼べ。 もしどうしようもなく意地を張る自分を見つけたら、それを理想と呼べ。 救急車に運ばれた時も雨だったなと思い返し、こわごわと電車に揺られていた。ぼんやり考え事をしているうちに乗り換え駅を過…

天罰

仕事から帰って来て体重計に乗ったら、55kgになっていた。53kgといったふざけた数値は、もうあまり出てこない。しかし、体脂肪率が相変わらず5%のままだ。体脂肪率が低すぎると病気に対する抵抗力が落ちる。つい先日も風邪を引いてしまい、1週間…

離脱者

曇り空の下で洗濯物を干しているうちに、陰鬱な考え事が頭の中へ忍び込んできた。僕は、出て行くばかりの人生を歩んできたな。メジャーからマイナーへ、多数から少数へ、そういう軌跡ばかり描いてきたな。そんなことにふと思い当たった。 友人が多く進学した…

ブログ事始

友人に長い間ずっとブログを書いている人がいる。その人の文章を読んでいると、日記でも随筆でも断章でもなく「ブログ」というジャンルの文章があるのだという気がする。 ネットを通過する膨大な意味の奔流のさなかで、ブログという小さな渦が無数に生じてい…