2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

四行詩習作

扉の向こうで肉食竜は息を殺し 夜が見せかけの幸運を瞬かせる おれはずっと探し続けている 誰にもならずにいられる方法論を おまえの子午線を寸断する抜け落ちた空隙が見える おまえの錆びきった弦の立てる大気とのうなりが聞こえる 斜陽と綿埃の中にうずく…

四行詩習作

手に入らなかった思い出に背を押され 灰色にひび割れた道をたどる 坂の上へと転がっていく軽い声を 僕はただ見送るばかりだったのさ アンテナの檻と電柱の林 引き伸ばされた午後の青白い夕方 そういった日々の隙間に心をねじ入れて どんな化石を探しているの…

白いつばさたち

なかなか雨の降らない曇り空の下、いつものように川沿いの歩道を散歩していて、ふと思い当たった。 最近空を飛んでいないな。 もちろん、私自身は空を飛べない。飛行機やグライダーにだってそれほど縁があるわけでもない。それでも、子供の頃はもっと空に近…