メモ
「ホテル・ニューハンプシャー」読破。
現代を舞台にした神話だと思った。おとぎ話に特有の予言や奇妙なロジックが家族を襲い、揺り動かしていく。人間の家族の物語であると同時に、神々の演じる神話でもある。
もっと神話を勉強したいと思った。僕たちの物語に対する感覚は、きっと神話が母体になっている。
村上春樹の作品もアーヴィングから影響を受けていることが分かった。
アメリカ人は、歴史や神話に対する憧憬があるのかもしれない。ほんの50年ほどの時間の流れを神話化し、大きな歴史だとして意味づける。神話を持たないからこそ、幼少時から成人するまでの時間の流れを神話とみなして回顧する必要があるのかもしれない。
ただ、だから異常だとかさもしいというわけではなくて、僕たちが物事を見立てる方法こそ歴史や神話の実体だと思う。むしろ僕達は、積極的に物事を歴史や神話として意味づけていかないといけない。
「なぜなら、保存し、維持し、無常と忘却に対し抗議することは、とりわけ詩人の任務に属するからである」(ヘルマン・ヘッセ「マウルブロン神学校生」高橋健二訳)
対自分推薦図書メモ
カート・ヴォネガットの著作全部
ジョン・アーヴィングの著作全部
ミルチャ・エリアーデ「聖なる空間と時間」
折口信夫「死者の書」
ジェームズ・フレイザー「金枝篇」
ジョセフ・キャンベル「千の顔をもつ英雄」
柳田国男「海上の道」
ルネ・ジラール「世の初めから隠されていること」