笠原弘子さんはちみつライブ

 バレンタインデーだった。
 美青年のもとき先生にギターのレッスンを受けた後、美青年のギタリスト松野さんが参加する笠原弘子さんはちみつライブに、エキセントリックな美青年のハッちゃん(髪三色)と共に出掛けた。松野さんにはバレンタインの差し入れでお茶(実はお年賀の余りだが……)を持っていった。




 ということを知人にメールで伝えた時のコメント


「ちょwwwおもしろすぎwww前向きに生きろ」


 男性方面を前向きに検討したほうが良いというアドバイスか。


 さてはちみつライブ。
 笠原弘子さんと言えば、90年代をアニメ観ながら過ごした健全な少年少女なら、一度は聞いたことのある名前だと思う。主題歌を歌ったり「銀河漂流バイファム」や「魔法騎士レイアース」で声優を担当した人で、アニメ・声優界のアイドルの元祖だ。
 会場には僕と同世代か、やや上くらいの人たちがたくさん詰め掛けていた。この業界特有の熱気があって、なんだか懐かしかった。
 曲については無学なことに知らないものばかりだったけれど、何だかうろ覚えのあるメロディがあるなあ……と思って今調べたら、「ロミオの青い空」の主題歌だった。他にも90年代の趣のある懐かしい曲がいくつも歌われた。ポップで軽快な曲もあれば、しっとりとしたバラードやドラマ性の高い壮大な楽曲もあった。
 アイドルというと今は随分薄っぺらいものになってしまったけれど、90年代頃にはまだメッセージ性の強い音楽も歌っていたのだと思う。今の女性「アーティスト」に近かったような気がする。
 そしてMCでの笠原弘子さんがとにかく可愛かった。ファンの人が「すっごく可愛いよ〜」と声を掛けると「ありがたき……」と応えたりする。さらに、世界ヨーヨーチャンピオンの長谷川貴彦さんをゲストに迎えて、自ら検定を受けたヨーヨーの技を披露した。
 ずっとアイドルを続けていて、ファンもちゃんと付いているのはすごい事だなあ……としみじみ思ったりした。


 十数曲ある盛りだくさんのライブだったけれど、楽しいうちにすぐ終わってしまった。
 バレンタインデーの夜の帰り道は、ハッちゃんと二人で手を繋いで帰った。