本の価値を知らない古本屋

 そろそろ僕も水村美苗を読まなければ……と思って「私小説」「本格小説」「日本語が滅びるとき」を書店で買い求めた。「本格小説」「日本語が滅びるとき」はAmazonで簡単に見つかったので注文した。が、「私小説」だけは変なプレミアが付いた古本しかなくて、入荷日数も出品者の都合で不明になっていた。何となく不安になって「私小説」だけは注文を見送った。
 あと、先日森岡書店の朗読会で朗読されたトリスタン・ツァラというルーマニア生まれの詩人の詩集も探したけれど、これまた大変なプレミアがついた古本しかなかった。
 神保町にでも探しに行くか……と思ったけれど、待てよ、割と無神経な値段の付け方をしている大きな古本屋が八王子にあったな、ということに思い当たった。以前、ゴーチェ幻想作品集という本をそこで700円で買った。後日神保町で見かけたとき、その本には7000円もの値が付いていた。(いまAmazonで調べても、2000円から3500円だ)
 今回もそれにあやかって本を探しに行ってみようと思った。
 系列の古本屋を何箇所か回って、「私小説」は見事300円で見つかった。ほぼ1/10だ。だが、トリスタン・ツァラの方は希少でさすがに見つからなかった。こちらは今度神保町で探そう。たぶんかなりの値段になっているんだろうなあ。
 トリスタン・ツァラの朗読会についての感想はまた後ほど……。