先週金曜日

 先週金曜日、乾さんのソロライブに行った。場所はまた渋谷@HOMEだ。


 なんとか仕事に区切りをつけてライブハウスへ向かうと、会場にはもうけこさん・こずさん・タンポポさんの3人が集まっていた。タンポポさんとこずさんとは、去年の最後のライブ以来の再会だ。

 飲み物をもらってみんなと同じテーブルに着くと、乾さんの出番がやってきた。今回はドーモくんバッグの代わりに、WWFのエコバッグを提げての登場だった。何か心境の変化があったのだろうか。

 DSでのイントロはなく、乾さんはいきなり曲に入った。前回で歌詞が評判となった「Mellow Yellow」。それから、夜の世界に生きる少女の心境を綴った「少女と金魚」。それぞれ乾さんらしい不思議な浮遊感のある曲だ。

 その次は、新曲の「砂漠を走るイメージ」。これは由来が面白くて、乾さんがハマッたPS3のゲーム「アフリカ」(アフリカで動物の写真を撮るゲーム)をモチーフに書かれたものだという。黒赤ちゃんでは考えられないようなアクティブな歌詞で、「ぼやっとするな!」や「限界突破を目指せ!」といった言葉が飛び出す。客席のみんなは、度肝を抜かれた気分になった(と思う)。

 それから、前回に引き続き「いつもあるその世界」、カバー曲の原由子「花咲く旅路」、最後は「虹のあめ」だった。

 今回は、前回と比べて伸び伸びと歌っているように見えた。後で乾さんにお話を伺ったところ、前回のライブの評判が身内などで悪くて、年末年始に路上で猛練習をしたそうだ。そういった事が自信に繋がったのかもしれない。


 久しぶりにみんなと会えて、タイバンの方々のレベルも高く、とても楽しめたライブだった。

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 先週土曜日には、YellowGOSSIPのライブを聴きに吉祥寺へ行った。その前に、なんと矢澤賢太郎さんとけこさんと僕とでスタジオに入っていた。けこさんが矢澤さんのベースを引き取り、ベーシストに入門したのだ。僕は後でライブに行くこともあって、おまけとしてギターを背負って付いていった(笑)。

 けこさんに譲られたベースは、70年代のヤマハのベースだという。綺麗なあめ色をしていて、そんなに昔のものには見えなかった。つい最近調整に出していて、言わば矢澤カスタムになっているとのこと。スタジオでは、矢澤さんがけこさんに構え方や弦の押さえ方といった基本的なことを伝えた。僕も脇で一緒に聞いていた。

 矢澤さんのベース演奏(といっても断片的なフレーズだけだけど)を間近で見ていて、ベースの奥深さに少しだけ触れられた気がした。ギターと違って、弦のミュートが大事なようだった。それに、フレットの近くをちゃんと押さえないといけなくて、ギターよりもシビアらしい。実際の演奏では、もちろんリズム感が凄く大事になるのだろう。

 けこさんは自分の小指が短いことを気にしていたけれど、いかにも手の小さそうな女の子がベーシストをやっていたりするので、多分大丈夫だろうと思う。ギターをやった事もあるそうだし、きっとすぐ上達してくれるだろう。とにかく、これで今まで欠けていたベースパートが埋まった。


 で、その後にYellowGOSSIP主催のライブに向かった。

 今回は2マンライブで、最初に登場したのは、井の頭公園で毎日曜日に必ずライブをやっているという今年還暦のブルースマンであるBroom Duster KANさんだった。袖なしのTシャツとカウボーイハット、革のパンツという格好で、不思議なギターとハーモニカを演奏し、ブルースを歌い上げる。歌詞はもちろん英語だった。とにかく渋くてカッコよかった。僕もあんな60歳になりたい……。

 それから、矢澤さんの参加しているYellowGOSSIPの出番になった。以前も書いたとおり、こちらはインストファンクバンドだ。今回はなんと、フルート奏者クリステルさんが加わっている。フルートってこういう所で演奏されるものなんだ……と新鮮な驚きを感じた。吹き方も凄くて、バトンみたいに回したり、両手で頭上に掲げて踊ったり、肩に担いだりした。クラシックでは絶対見られないフルートの使い方だ(笑)。クリステルさんはとてもセクシーでカッコよい女性で、そんなパフォーマンスために天女のように見えた。

 キーボードには、今回のサポートメンバーの石川さんに加えて、前回大活躍だった238(ブサンパ)さんが飛び入りで参加された。(しかし凄い名前だと思う……ちなみに238さんは可愛らしい女性キーボーディストだ。しかし演奏は超パワフル)

 矢澤さんは、そんなメンバー達をしっかり低音で支えていた。正直、他の人の後ろで目立たないポジションだけど(笑)、でも絶対に欠かすことのできないパートなのだと思う。ライブの終わりに発表されたとおり、矢澤さんが引退するためにYellowGOSSIPが活動休止に追い込まれる事でも分かる。黒赤ちゃん・キツネの犬・YellowGOSSIPと、3つものバンドを活動休止に追い込んでいるのだ。ベーシスト矢澤賢太郎さんの偉大さが窺い知れる。


 そんなこんなで、長丁場だったはずのライブは楽しくてすぐに終わってしまった。YellowGOSSIPは4月にまた休止前のライブがあるらしい。そのときも是非参加したい。また、3月11日には矢澤さん率いるキツネの犬のライブもあるそうだ。YellowGOSSIPとは違ってロックよりのポップスバンドだ。矢澤さんが厳選した凄いメンバーが集まっているバンドなので、こちらもとても楽しみ。


 それぞれのライブに参加された皆さん、お疲れ様でした。