野地裏ライブ

 渋谷のeggmanというライブハウスで「野地裏」というバンドのライブがあった。高校の同級生であるハッちゃん(頭髪が三色)と一緒に聴きに行った。


「野地裏」には、以前ブログにも出てきた「黒赤ちゃん」のボーカル&ギターを務める松野さんがギタリストとして参加している。高校時代の軽音楽部の先生が中心となっている強烈な実験的バンドだそうだ。
 今回のライブには、野地裏以外に先生の教え子たちがたくさん登場した。高校生からメジャーデビューを果たしているベテランまで様々だ。「黒赤ちゃん」も、松野さんと乾さんのアコースティック編成で一曲だけ登場した。
 今回聴いていてとても良いなあと思ったのは「Scissors」という高校生のバンドだ。メンバーがみんなキラキラしていて、曲を聴いているととても元気になれた。芯に凄く健全なところがあって、それを貰えた気分だ。新年にこのバンドを聴けて本当に良かった。これからどんどん良い音楽を作っていって欲しいなと思った。
 そんな爽やかで健全な気持ちを、続く野地裏が叩き潰した(笑)。松野さん曰く「簡単に言えば、とにかくとてつもなく暗くて、多分皆が聴いたことのある音楽の中で一番気持ち悪い音楽」。ボーカルやメロディといった女々しいものは基本的に存在しない。抽象的な映像をバックに唸り声のような音のパターンが繰り返される。ジャンルはプログレッシブ・ロックらしいけど、もはや現代音楽だと思う。グレツキとかスティーブ・ライヒとかにちょっと似ている。
 面白いのが、映像に出てくる図形や記号や数字に合わせて音楽が構築されているらしい曲があることだ。中には、ホワイトボードに書かれた数字(5や5.5や6)を先生が棒で指し示し、それに合わせてギターやドラムが演奏するといった趣向のものもある。どんな仕組みになっているのか素人の僕には良く分からない。数字は多分コードだと思うのだが……。
 野地裏ははっきり言って気持ち悪いけれど(笑)、でも不思議な中毒性がある。他にはない迫力とカタルシスがあって僕は結構好きだ。もともと現代音楽が割と好きだったりするし。普通のもので満足できない、意味ありげなものが好きな人にはたまらないバンドだと思う。ただ、次のライブは来年になるか再来年になるか分からないけれど(汗)。
 そんな冬休み最終日。